トップページ日本語OPI研究会の活動他のOPI研究会との交流>J-OPI-E 欧州日本語OPI研究会 

J-OPI-E 欧州日本語OPI研究会発足について

山田ボヒネック頼子
(J-OPI-E総代表)

 案内状の文面は「欧州初回!待望の『OPI-テスター養成ワークショップ』開催: 於ベルリン。2001年11月8日〜11日。招聘トレーナー鎌田修教授 (京都外国語大学:当時) 」で始めた。その年9月に開催されたCambridge欧州日本語教師会シンポジウムで配付するべく用意した案内チラシである。仕掛人は、99年に京都で鎌田・山内ワークショップに参加したもののテープ審査期限切れで、今回のWorkshopには再度挑戦の落第生的参加者山田ボヒネック頼子(ベルリン自由大学)である。

 鎌田トレーナーは、夏休み中かけて口説き落した。鎌田氏はその時期京都外大「欧州教材作成プロジェクト」推進ベルリン会議のため来欧の予定であったからである。先ず将を射て、ACTFLに直接交渉を始める。会場はベルリン日独センターがWorkshop前半部分「木・金」の全面的支援を引き受けて下さり、後半は経費節約のため企画者の勤めるベルリン自由大学日本学科とする。「申し込み殺到か」と戦々恐々として発信し始めたプリント&インターネット案内状であったが、経済的要因(受講料税込み1600DM[≒800ユーロ]+交通宿泊滞在費)からか「定員10名」の集まり具合は意外に遅い。しかし1ヶ月後にはリストが埋まり組織運営も担当する山田は安堵の胸をなで下ろす。受講者はドイツから5人、イギリス3人、日本、フランス各1人で全員女性。欧州におけるACTFL-OPIの知名度は未だ低い。文化的新規現象に対してチャレンジするのは、「日本ザル芋洗い文化波及」の例を見ても、女性側から始まるようだから、男性側の参加は次回からに期待しよう。Workshopにはさらにベルリン在住日本語中間言語話者22名の被験者リクルートが必要になるのであるが、こちらは「20マルク(現10ユーロ)/30分」のアルバイト形式を取る各段階人数確保。ベルリンの蒼穹に街路樹の紅葉が美しい秋の日、欧州初回J-OPI-Workshopがスタートしたのであった。

 四日後、鎌田TRを含むWorkshop参加者12名は「『J-OPI-E (Japanese OPI Study Circle Europe)』を起ち上げる会」の結成合意書に署名し、さらに翌年のエディンバラでの再会を期して欧州・日本に散っていく。エディンバラ大学の松本スタート洋子氏が8月下旬の「J-OPI-E・日〔東京〕・関西」の合同ゼミを組織運営を引き受けて下さることになったのである。J-OPI-E起ち上げ合意書は、さらに欧州居住のテスター資格既得者2名(エストニア: 高橋清彦氏・ドイツ:白石文子氏)の署名を受け、その輪を拡げていく。

 それから一年後の8月。松本スタート洋子氏の献身的組織運営力の下、エディンバラ・シンポジウムが大成功裡に開催されることになる。熱い交流が日・米・韓・欧OPI人脈間で行き交う中、「J-OPI-E」は27名の会員署名をもって結成の運びとなる。この会員名簿は、さらにそれから1週間後に開かれたブタペスト欧州日本語教師会シンポジウムで33名の記入を見て、現在(2002.9.15)に至る。

 「OPI との出会い」はおそらくそれぞれの日本語教育に携る個人史の中に位置づけられている。欧州初回Workshop参加者の中には、10年越しの「恋!」というのもあった。その「恋」のこれからの開花に期待しよう。エディンバラ大会の終了時、牧野成一トレーナーは「日本語教育とOPIの接点」を強調されていた。現在テスターの卵組に属する山田も、OPIが日本語教育に持つインパクトに圧倒されている一人である。日常生活で日本語に接することの少ない欧州在住被験者の「日本語学習アウトプット=OPI結果」は、とりもなおさずその「インプット=日本語授業の在り方」を反面教師的に日本語教師に迫る。被験者の発音が悪ければ、それは日本語教育におけるプロソディー教育が不足しているからである。学習期間から言えば当然上級クラスに入るべき被験者が単語・単文羅列の域を抜けられないのは、そのような単文・文型中心主義のシラバスそのものに問題があるのであろう。

 かくて「日本語教育とOPIの接点への考察」という「一粒の麦」は、欧州土壌にも蒔かれた!

以上: 文責 山田ボヒネック頼子(ベルリン、2002年9月15日)


●J-OPI-E 欧州日本語OPI研究会について

1. J-OPI-E設立 : 「欧州日本語OPI研究会J-OPI-E (Japanese-OPI Europe Study Circle)」」を起ち上げる。
活動形態: 地域勉強会、E-Group & Mailing-List
2. 代表者 : ・ ドイツ/Berlin 山田ボヒネック頼子(総代表)yayo@zedat.fu-berlin.de
・ イギリス/Edinburgh 松本スタート洋子y.m.sturt@ed.ac.uk 
・ フランス/St. Martin Bellevue 内田コンシニイ陽子
3. 事務局 : ベルリン日独センター
 Japanisch-Deutsches Zentrum Berlin, Saagemunderstr. 2, 14195 Berlin, Germany
 URL: http://www.jdzb.de
・ 事務局長: エストニア/Tallin 高橋清彦(takahashi@infonet.ee)
・ 事務担当: 関川富士子 ドイツ/Berlin/JDZB 
4. 会員資格 : ・ OPIトレーナー、テスター、テスター「卵」(ワークショップ後、テスター資格未取得)
・ OPIに関心を持つもの*
- 所謂「関西OPIモード」で!
- 現在までの入会会員数: 29名*
 *2002年9月15日現在入会会員33名の名簿は事務局に保存。
5. 定款 : 定款は未だ定めず。但し会のあり方としては非営利団体NPO的存在を目指す。
6. 年会費 : 20ユーロ。
鎌田修トレーナーは「2001年度ベルリン第一回OPI欧州ワークショップ最終日2001.11.11付け」で受講者グループ宛てJ-OPI-E-Study-Circle設立支援金として300DMを寄付。謝辞!
7. 勉強会 : ・ トレーナー・「卵」組・ノンテスターによる地域勉強会
・ E-勉強会
・ 「テープ回し」聞き など
8. Mailing-List &Webサイト :   松本スタート洋子(が可能性を探る)
9. 支援金・助成金申請 : 山田ボヒネック(ベルリン)及び高橋(エストニア)が「補助事業費支援機関・団体」などに申請する。
10. 顧問トレーナー : 鎌田修教授(京都外国語大学)・牧野成一教授(プリンストン大学)

文責: 山田ボヒネック頼子(J-OPI-E総代表)

( J-OPI-Eへのお問い合わせは、上記をご参照の上、総代表の山田さん、もしくは、事務局の高橋さんまでお願いいたします。欧州からはもちろん、日本からの入会も大歓迎です。)