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第4回OPI国際シンポジウム:函館 【報告2】

パネルディスカッション報告

嶋田 和子

 OPIは文化を捨象しているという批判がある中で、我々OPIテスターはどのように文化能力を捉えていったらよいのかを議論することの必要性を感じ、今回のパネルのテーマを「文化能力は測れるか」と致しました。前半は5人のパネリストによる発表、そして後半はフロアとのやり取りタイムと致しましたが、活発に意見交換が行われ、熱気に満ちた3時間は、あっという間に過ぎてしまいました。

  HIFホストファミリーの会会長・平出さんは、食文化に焦点を絞って経験に裏づけされた話をして下さいました。鎌田先生は、OPIがインターアクティブな言語活動であることから、文化的側面を十分に考慮した総合的判断の重要性を強調されました。當作先生は、文化能力には測定可能なものとそうでないものがあり、言語行動に付随した文化行動は顕在的なものが多く評価がしやすく、非顕在的な能力の評価は難しいといった点について言及されました。山田先生も可測・不可測領域があるという点では、當作先生と同意見であり、「ヨーロッパ言語共通参照枠組み(CEF)」から「文化能力」をどう考えていったらよいかを提示して下さいました。ブルガリアのキリル先生はノンネイティブの視点から、日本よりむしろ学習者の国で実現する可能性の高い日本語接触場面の研究の重要性について語られました。

  最後に「今後の課題および提言」をお願いしましたが、1.接触場面に関する研究を進めること、2.ガイドラインに文化能力を加えることをACTFLに提案すること、3.文化能力の可測部分と不可測部分を明確化すること、4.可測部分の測定方法を研究すること、5.欧州における口頭能力試験開発に貢献すること、6.被験者の視点から研究に取り組むこと、などが挙げられました。今後OPI研究会でもさらに「文化能力」について議論をし、さまざまな研究活動を行っていきたいと思います。