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第4回OPI国際シンポジウム:ベルリン 【報告5】

ホール会場 報告

錦見 静恵

 シンポジウム最終日のホール会場では、由井紀久子氏、坂口昌子氏による『文系部留学生に期待される日本語プロフィシェンシー:スピーキングクラスの成果に基づいた「3年間教育到達度構築」への試論』と題する発表、次に野口裕之氏、大隈敦子氏による『日本語能力試験 can-do statements(試行版)のIRT尺度化と日本語能力試験の得点段階との対応づけの試み』と題する発表が行われた。

  由井紀久子氏、坂口昌子氏の発表は京都外国語大学日本語科に在籍する留学生に対する日本語教育を事例にして留学生に期待されるプロフィシェンシーやcan-do statementsなどを考えたいとした研究である。日本語学習者の談話展開上の問題点なども上げられ、学習者のわかりやすい談話とわかりにくい談話の違いについての分析なども発表された。現留学生の到達度機能の追求から今後のシラバスを探っていくという実に興味深い試論であった。

  野口裕之氏らによる『日本語能力試験 can-do statements(試行版)のIRT尺度化と日本語能力試験の得点段階との対応づけの試み』の発表では、日本語能力試験に関するcan-do statements開発研究の中から、can-do statements項目と日本語能力試験の各級認定段階との対応づけに関する現段階での到達点を報告するものであった。アンケート項目などのハンドアウト資料をもとに詳しく説明が行われた。

  記述式、回答式、段階構成などは今後検討されることも多いと結ばれたが、実に意欲的な取り組みであり、会場からはアンケート項目や難易度の分類方法などについて熱心に質問が出されたとともに今後の研究を大いに期待するという声も寄せられた。

  最後に今回のシンポジウム全般に関して質問の場が設けられたが、ここでも日本語能力試験のcan-do statementsに対する質問が多く出された。

(錦見静恵記)