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第6回OPI国際シンポジウム:京都

ACTFL-OPI テスター・リフレッシャー・ワークショップ

報告:奥野由紀子

 2日目9時より第1会場において、渡辺素和子トレーナーによるACTFL-OPIテスター・リフレッシャー・ワークショップが行われた。

●今回のリフレッシャー・ワークショップの位置づけ

・現在のテスター:ブラッシュアップを目的とする。但し更新予定者はリフレッシャー・ワークショップ受講(以下、RW受講)により、Bトラック申請者として認定される。
・現在資格失効テスター:RW受講により、Bトラック申請者として認定される。今回は失効年数に関係なく認定される。但しこの特典は今回限りのものであり、1年以内に申請することを条件とする。

●まずACTFL-OPIのガイドラインを概観した後、主要レベルやOPIの手順の確認がなされた。

 以下に特に重要だと思った部分を特記する。

・Warm-up:始めるときの前提としては「中級」から始めてよい。「会話」が起こるという前提で始めよ。その人を知れ。その人の個人情報のデータバンクを構築せよ。
・レベルチェック&つきあげ:トピックを変えるときは同じレベルで。主要レベル2つ超えて突き上げない。レベルチェックと突き上げは交互に(但しトピックではない)。(渡辺補足:「但しトピックではない」という意味は、「トピックを交互に変えなさい」という意味ではないので、気をつけるように、ということ。)
・質問のタイプ:本当に会話をしているように興味を持って自然に聞くことが重要。

質問例
×「サッカーを始めたのはいつですか」
○「サッカーを始めたきっかけは何ですか。なんでサッカーをするようになったんですか」
×「マドリッドで何をしたんですか」
○「マドリッドで何か思いがけないハプニングはありましたか。」「どんなことがあったんで
すか?」

●次に通常、テスターが困難と感じる上級、超級レベルのインタビュー技術について、例を示しながらコツが話された。

質問例
×「インターネットについてどう思いますか」→かすってしまう危険性大。
○「インターネットは便利で身近になったという人がいますが、一方ではテクノロジーは人間関係を非人間的にしているのではないかという人もいます。あなたはどちらの立場に立ちますか。理由も聞かせて下さい。」→テスターも超級段落で話すことにより、答えてほしいレベルを示す必要あり。

×「あなたがその社長だったらどうしますか」
○「今あなたが言ったような管理体制が導入されたとしましょう。そうしたら、会社や社員にどのような影響や変化が起こると思いますか。また長期的にはどのようなことが考えられますか。」

上級・超級での心得
上級:話の全貌をとらえよ

・「自分のこと」周辺から脱却せよ。(自分だけの制限された世界から外へ)
・時事問題はコンテクストを拡張するのに効果的な手段である。時事問題が難しい場合には「家族が話していた(いわゆる)巷で話題になっていること」や「学校などで今話題になっていること」などでもよい。(但し、あくまでも、「荻窪のおばさんが入院した」とか「加藤君が純ちゃんとつきあってる」というレベルの話ではないので、区別してください。)(渡辺補足)
・それまでに出てきたトピックからスパイラルに発展させよ。
・話の全体が見えるまでよしとしないこと。段落形成を促すこと。
・説明、再度説明を要求し、具体的に描写させること。
・「おはこ」の話題を避け、いろいろなトピックについて聞くこと。

質問例
さっき州立大学で大学院に行ったということですが、そのプログラムについて詳しく教えてもらえますか?
→最初の印象はどうでしたか。
→どんな生活だったんですか。思いがけないことがありましたか。
→何か思い出してもらえますか。どんなことでしたか。どうやって解決したんですか?
→それで?で?

超級:トリプルパンチを使え
・フォーマルで距離をおくこと
・漢字熟語を増やすこと
・柔らかく挑戦的であれ
・テスター自らの言葉遣いも高めるべし
・前置き質問で、お膳立てをする
・テスターも思考練習をせよ。新聞やニュースをみて、何の事件か。論点は何か。口に出して練習することが肝要
・具象レベルのトピックから抽象レベルのトピックへの移行
・裏づけのある意見を述べさせよ
・その意見への反対意見を投げかけよ
・仮定的に物事を考えることを要求せよ

質問例 反論の仕方(反論で被験者に反感を買わないために、「私」の意見にしない。)
・○○についていろいろなことを言う人がいますが…
・この間雑誌で○○ということを言っている人がいましたが、あなたはどう反論しますか。
・それも一理ありますが、でも、○○という反対の立場の人がいます。あなたはどう思いますか。

質問例
最近の国民調査でアメリカでは片親しかいない家庭が今までになく増えているそうですが、こういった現象を起こしている要因にはどんなものが考えられますか。
→このような新しい家庭、家族の形式についていいことだという立場の人と弊害があるという立場があると思いますが、あなたはどう思いますか。
→〜のような方策が決定されたとしたら、どんな影響があるでしょうか。短期的に見た影響と長期的に見た場合の影響はどうでしょうか。それから、それに携わる人にはどんな利益が考えられるでしょうか。

●最後に実際の会話例の一部が音声にて紹介された。

●具体的な更新手続きについては、www.actfl.orgまたはACTFLに直接問い合わせをすること。

●参加者リストが作成され、その名簿はACTFLの事務所に送られることになった。
 参加の記録については、ACTFLから証書が送られる予定だが、万が一証書が送られない場合は、渡辺トレーナーがリストを保管しているので、問い合わせすること。

 今まで苦労していたことが確認でき、現テスターにとっても、現在資格失効テスターにとっても、有益なワークショップであった。資格失効者にとってはこの1年が勝負の年となりそうである。

追記:渡辺トレーナーより補足事項を頂戴しました。

(奥野由紀子 記)

【お知らせ】
リフレッシャー・ワークショップにご参加くださった方々へ

 すでにACTFLから参加証がお手元に送られているかと思いますが、テスターとしての資格が期限切れであっても、今回の参加により B-trackとしての更新申請ができることになっています。ぜひ、この機会を利用して、資格の更新を行って下さるようお願いいたします。申請方法は、参加証とともに送られてきた“Application for ACTFL OPI Tester Recertification”に必要事項を記入し、申し込んで下さい。その際、今回のRefresher Workshop に参加したことを明記して下さい。後日、各レベル2本ずつ、計8本のテープ提出の要求があるはずです。??

(鎌田トレーナーより)