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第6回OPI国際シンポジウム:京都

研究口頭発表:第2会場

報告:岩佐 詩子

 第2会場では、4つの発表が行われたが、OPIのみならず、評価活動やライティングの評価、教材作成と、テーマは多岐にわたった。

  まず、櫻井直子氏による「ACTFL-OPI、及び、CEFに基づく口答試験の標準化」のみがOPIを扱ったものであった。これはベルギーの教育機関における到達度試験の実践報告で、発表後は試験作成や実施についての具体的な質問も多く、CEFとの関連を含め、関心の高いテーマであった。

  次に、「『人材育成』の視点を導入した口頭能力評価方式の効果」と題し、遠藤藍子氏が発表した。評価項目の任意選択や学習者自身・教師・仲間の三者を評価者とすることにより、成績向上のみならず、より多くの評価を自分のパフォーマンスに生かしたいという意欲を生み、自律的な学習が促進されたとのことであった。何のために評価するのか、評価という行為の持つ意味を考えさせられる発表であった。

  3番目は、長谷川哲子氏・堤良一氏により「アカデミックライティングにおける『分かりにくさ』の要因は何か」が発表された。意見文の段落内構成の分析から、事実文と主張文のミスマッチが、評価者の頭にある「ひな形」からの逸脱を起こし、分かりにくいと評価されるとの考察がされていた。特に主張文が不足する場合は、抽象的に論拠をまとめる必要があるため、より高いプロフィシェンシーが要求されるとのことで、こうした点はOPIの上級から超級になるレベルと共通する課題であることが窺えた。

  最後に、川崎直子氏・徐毓螢氏・久我瞳氏により「接触場面研究の教材化」の発表が行われた。実際の接触場面を当事者である学習者を含めて分析し、フォローアップインタビューを行った研究である。当該の学習者による問題点の気づきからさらに、接触場面におけるコミュニケーション齟齬を教材へ生かした具体例が示された。発表後は、自然な接触場面をデータとして得る方法やその難しさについて、コメントがあった。

 いずれの発表でも質疑応答や意見交換が活発であり、一時は席が足りなくなり立ち見が出るほどの聴衆であった。

(岩佐詩子 記)