日本語OPI研究会

OPIとは?


 

Q1:「ACTFL-OPI(アクトフル オーピーアイ)」って何ですか?

A1: 「ACTFL(アクトフル)」というのは、The American Council on the Teaching of Foreign Languages(全米外国語教育協会)の略称で、外国語教育に携わっている人々約1万人が会員になっている学会です。OPIは、ACTFLによって開発された汎言語的に使える会話能力テストです。「OPI」とは、"oral proficiency interview(オーラル・プロフィシェンシー・インタビュー)"の頭文字です。ですから、簡単に言うと、「ACTFL-OPI」というのは、アクトフルが開発した外国語の口頭運用能力を測定するためのインタビューテストのことです。

 OPIとは、外国語学習者の会話のタスク達成能力を、一般的な能力基準を参照しながら対面のインタビュー方式で判定するテストである。(牧野:2001より)

→詳しくは OPIを授業に生かす 第1回へ 

Q2:口頭運用能力テストって、学校で行う会話テストとは違うんですか?

A2: 違います。学校で行う会話テストでは、学校で学んだことがどれくらい出来るようになったかを調べるテストです。しかし、OPIは、学校で何を学んだかとか、どんなテキストを使ったかなどには関係なく、ある外国語にどれだけ熟達しているか、つまり、ある外国語を使って、どのようなことが、どのように、どの程度できるかというタスク能力を調べるテストなのです。
ですから、テストを受ける被験者が学んだ学校が異なっていても、異なった教科書や教授法で学んでいても、同じ基準で、その人の口頭運用能力が判定できるのです。

Q3:口頭運用能力って、どうやって測るのですか?

A3: OPIでは、テスター資格を持ったテスターが1対1のインタビュー形式で、いろいろな質問をしていきます。そのインタビューは全て録音され、終了後にOPIを行ったテスタ-が改めて聞き直し、ガイドラインに照らしながら、被験者の口頭運用能力がどのレベルにあるかを判定していきます。
また、正式なアクトフルの判定結果を出すためには、さらに、第2テスターが同じテープを聞き、その結果が第一テスターと一致したとき、初めて判定が決定します。
(第1テスターと第2テスターの判定が異なったときは、第3テスターが判定に加わります。これほど、厳重に判定はなされるのです。)

Q4:レベルはどのようになっていますか。

A4: OPIでは、「超級、上級、中級、初級」という4つの主要レベルがあります。上級、中級、初級はさらに細かく「‐上・‐中・‐下」の3つの下位レベルに分かれています。つまり、「超級、上級‐上、上級‐中、上級‐下、中級‐上、中級‐中、中級‐下、初級‐上、初級‐中、初級‐下」の10レベルに判定されます。

→詳しくは OPIを授業に生かす 第2回 へ

  

Q5:インタビューの時間はどのくらいですか?

A5: 時間は、テスターのコントロールで30分以内に終わることになっています。もし、30分を超えてしまったら失敗ということになります。インタビューの長さはテストを受ける人のレベルによって変わりますが、普通はだいたい15~30分ぐらいです。具体的に言うと、初級では15分ぐらい、中級では20分ぐらい、上級・超級だと30分ぎりぎりまでかかることが多いです。

Q6:では、インタビューの質問内容は、あらかじめ決まっているんですか?

A6: いいえ、決まっていません。インタビューは、レベルを判定するための決め手(証拠)となる発話サンプルを得るためにするもので「この質問に正解した」から、「XXレベル」というふうに判定するわけではありません。ですから、テストを受ける人のレベルによっていろいろな話題に関する質問をして、言葉を使ってどのようなことが出来るかというレベル判定の材料となるサンプルを引き出していきます。インタビュー中は、相手の発話を聞いてレベル判定をしながら、同時に質問も組み立てていくわけですから、テスターはかなり大変です。

→詳しくは OPIを授業に生かす 第3回

Q7:質問が決まっていないということは、自由な会話をすればいいのでしょうか?

A7: ただ、自由に話してもらっただけでは、単なるおしゃべりになってしまい、テストとしてのレベル判定の決め手となる発話サンプルは出てきません。OPIは、外国語を話す能力の下限(被験者が一貫して維持できる言語運用能力の最高レベル)と上限(被験者が種々の異なる話題を通してこれ以上言語運用を維持できなくなってしまうレベル)を決めてレベル判定を行います。
その決め手となる有効なサンプルを得るために、次のような4つの手順を踏んでインタビューを進めていきます。まず、テストを受ける人をリラックスさせる「導入部(Warm up)」、それから、下限を見極めるための「レベルチェック(Level Check)」と上限を決める「突き上げ(Probes)」を交互にする部分、インタビュー全体の4分の3ぐらいでタスク能力を測るために行う「ロールプレイ(Role Play)」、そして、被験者が気持ちよくインタビューを終われるようにする最後の「終結部(Wind down)」です。各部分でする質問は、それぞれのレベルで要求される口頭運用能力の証拠となるサンプルが出てくるようなものをテスターが選んでしていきます。

→詳しくは OPIを授業に生かす 第3回第4回

「OPIの段階と3つの側面」(『ACTFL-OPI試験官養成マニュアル』〔1999年改訂版〕より)

 

導入部

反復過程
レベルチェック ←→ 突き上げ   

終結部

心理面

被験者を落ち着かせる。

被験者に何ができるかを示す。

被験者に何ができないかを示す。

一番正確に機能できるレベルに戻し、被験者に達成感を与える。

言語面

被験者に目標言語に慣れさせ、目標言語へ移行させる。この時、試験官は被験者の興味・経験についてのデータベースを構築する。

被験者が十分、楽にかつ正確に、流暢にこなせる言語機能と内容の領域を特定する。

被験者が言語的挫折を起こす言語的機能と内容の領域を特定する。

被験者のできる機能が明らかになり、インタビューが終了することを被験者にわからせる。

評価面

被験者が言語能力のどのレベルであるか最初の見当をつける。

被験者が維持できる最高のレベルを見つける(下限の決定)。

運用能力がこれ以上、維持できないというレベルを見つける(上限の決定)。

 

    

Q8:レベル判定はどうやってするのですか。その基準はどんなものですか?

A8: 簡単には説明できませんが、レベル判定は、ACTFLが作ったガイドライン(『ACTFL言語運用能力基準―話技能』〔1999年改訂版〕)という基準に沿って、全体的・総合的に判断します。そして、この基準は、「機能・タスク」「場面・内容」「テキストの型」「正確さ」という4つの要素から成り立っています。詳しく理解するためには、ワークショップに参加することをおすすめします。

→詳しくは OPIを授業に生かす 第2回第5回『ACTFL言語運用能力基準―話技能』

Q9:どうやったらACTFL-OPIのテスターになれるんですか?

A9: ACTFL-OPIのテスターになるためには、まず、4日間のワークショップを受講して、理論と実践方法を学びます。そして、正式なテスターになるために、自分で作成したインタビューテープとその判定をトレーナーに送り、インタビューの構成、抽出法、判定の正確さについて評価を受けます。その結果が満足なものであれば、トレーナーはACTFLに試験官資格の推薦をします。

→詳しくは テスターになるまでの流れ

Q10:面白そうなテストですが、もう少しOPIについて知りたいのですが。

A10: このページでは、OPIの基準について、あまり詳しくお知らせすることができませんでした。もう少し詳しくOPIの概要が知りたい場合は、『ACTFL言語運用能力基準―話技能』や牧野成一(2001)「理論編 OPIの理論と日本語教育」、『ACTFL-OPI入門』アルクをご覧になると良いでしょう。

Q11:OPIのテストを受けるにはどうしたらよいですか?

A11:

残念ながら、現在、正式な日本語ACTFL-OPIテストを日本で受けることはできません。非公式のOPIテストであれば、その学生さんが属している日本語教育機関(大学、日本語学校他)に、認定OPIの試験官がいれば、受けることができます。その方に相談してみていただければと思います。もう一つの方法は、アメリカのACTFL-OPIテスト本部に直接申し込むことで、正式な日本語OPIテストを受けるためには、ここに申し込まなければなりません。ACTFLのテスト機関を、LTI(Language Testing International)という機関でURLは以下の通りです。

http://www.languagetesting.com/oral-proficiency-interview-opi

こちらに連絡すると、正式テスト(レベル判定の認定書が出るテスト)に申し込むことができます。試験は、アメリカにいる日本人の試験官が行い、電話で30分程度のインタビューを受けていただくことになります。費用は、変更がなければ、134ドルのはずです。 団体での試験が主に行われているのですが、個人で申し込めるかは連絡して聞いてみてください。