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荻原稚佳子・齊藤眞理子・増田眞佐子・米田由喜代・伊藤とく美(2001)

「上・超級日本語学習者における発話分析:発話内容領域との関わりから」

『世界の日本語教育』11, 国際交流基金 83-102.

【要旨】

 本研究は、上・超級日本語学習者の発話の特徴を明らかにすることを目指し、ACTFL (全米外国語教育協会)から日本語の OPI テスト(口頭面接テスト)のテスター認定を受けた試験官が行なったものである。OPI テストの録音テープから、超級、上級の上・中・下の各々の典型的なものを選んで分析対象とし、母語話者とも比較した。
 まず、話題の種類と述べ方から発話内容領域という概念を設け、それを 3 つの領域---I.身近な具体的事実を直接的に言う、II.個人的一般的関心事の具体的事実を詳述する、III.抽象的内容を論じる--- に分けた。各被験者の発話について、この発話内容領域を軸として、試験官の要求への対応・発話の構成・談話の形・文法能力(語彙の広がり、誤用、言い直し、接続表現)を分析した結果、上・超級話者の各レベルの発話の特徴を具体的に示した。
 また、上級から超級への移行の過程が明らかになった。全分析項目において、なだらかな発達がみられるわけではなく、発話の構成・抽象的表現の使用・言い直し・接続表現・誤用などの項目では、上級と超級で大きい違いがみられた。また、発話内容領域によっても、レベル差が大きく現れる項目が異なっていた。これらの結果から、いくつかの分析項目では、ACTFL-OPI の基準で示されているレベル変化とは異なる、大きく変化する段階があることも分かった。
 さらに今回行なった母語話者との比較から、超級話者のほうが母語話者より論理的に話したり、和語を多く使用することが認められた。