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菅谷奈津恵(2002)

「日本語学習者によるイク・クル、テイク・テクルの習得研究:プロトタイプ理論の観点から」

『言語文化と日本語教育』23, お茶の水女子大学日本言語文化学研究会 66-79.

【要旨】

  本研究では、イク・クル、テイク・テクルの習得について、話者の視点と多義性という観点から分析した。資料はOPIコーパスを用い、英語・中国語・韓国語を母語とする日本語学習者計90名の発話データから、日本語能力と習得の関連を考察した。その結果、以下のような傾向が観察された。
1)本動詞イクとクルでは、話者の視点と移動の方向が一致するイクのほうが使用されやすい。
2)補助動詞テイクとテクルでは、テクルのほうが使用されやすい。
3)日本語能力が上がるに従い、イク・クルのプロトタイプである人の空間移動からより抽象的な移動へと使用が広がって行く。
4)補助動詞のテイク・テクルにおいても、プロトタイプの物理的空間移動から非プロトタイプである認知的用法、時間的用法へと使用が広がっていく。
また、本研究の調査結果から、イク・クルのような多義語の習得についてはプロトタイプ理論による説明が有効であるという示唆が得られた。

【キーワード】 移動動詞,OPIコーパス,視点,多義語,プロトタイプ