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「ACTFL - OPI 入門」紹介

日本語学習者の「話す力」を客観的に測る

牧野成一・鎌田修・山内博之・齊藤真理子・荻原稚佳子・伊藤とく美・池崎美代子・中島和子

2001,アルク,2800円+税,ISBN4-7574-0274-0

解説

 OPI についてわかりやすく書かれた入門書。理論的背景から応用例まで幅広い内容を扱っているため、すでにOPI に関して知識がある人にも読み応え十分。

 理論編、基礎編、活用編の3章からなり、まず、理論編では、OPI の概要、レベル判定の基準や発話の抽出法などを丁寧に解説する。続いて基礎編では、初級から超級までの判定を、実際の発話例を示しながら詳しく説明。活用編は、日本語の授業への活用例とともに、日本語教育への応用例も紹介している。付属のCDには、基礎編で取り上げられているインタビューが収録されており、実際のOPI を自分の耳で確認することができる。

目次

第1章 理論編 OPI の理論と日本語教育・・・牧野成一
  第1節 OPI とは何か
  第2節 レベル判定の尺度と基準
  第3節 OPI の構成 −4つの実施過程
  第4節 判定可能なサンプルの抽出法
  第5節 OPI の日本語教育への影響

第2章 基礎編 OPI の実例と口頭能力のレベル判定
  第1節 レベル判定の実例―超級・・・鎌田修
  第2節 レベル判定の実例―上級・・・山内博之
  第3節 レベル判定の実例―中級・・・齊藤真理子
  第4節 レベル判定の実例―初級・・・齊藤真理子

第3章 活用編 OPI を授業に生かす
  第1節 日本の大学での活用法・・・荻原稚佳子
  第2節 日本語学校での活用法・・・伊藤とく美
  第3節 ビジネスパーソンを対象とした活用法・・・池崎美代子
  第4節 子どもを対象とした活用法・・・中島和子
  第5節-1 OPI と日本語教育研究 −研究、データ分析などへの応用・・・山内博之 
  第5節-2 OPI と日本語教育研究 −第2言語習得とOPI ・・・鎌田修   

付録 索引/付録CDインタビュー/ACTFL言語運用能力基準-話技能(ガイドライン)

「はじめに」(本書p3)より

 現在の日本語教育では、コミュニカティブな教室活動が主流となっているのは周知のことですが、コミュニケーションの重要な手段である学習者の「会話能力」を的確に評価する基準は、現時点ではまだ確立されていないのが現状です。

 本書で紹介する「ACTFL−OPI(ACTFL−Oral Proficiency Interview)」は、アメリ力で作られた汎言語的な口頭能力測定試験ですが、ともすれば教師の主観や「勘」に頼らざるを得なかった口頭能力測定を、「プロフィシェンシー(到達度)」の考え方に基づいて客観的に測定する画期的な方法であるといえます。

 アルクはACTFL(The American Council on the Teaching of Foreign Languages)と協力して、1991年から「OPI 試験官養成ワークショップ」を開催しており、2000年に10周年を迎えました。この間、ワークショップを受講した方は、約400人にのぼります。

 本書はOPI について初心者の方にもわかりやすく解説した、日本語OPI初の入門書です。内容は、OPI の理論を丁寧に説明している理論編、超・上・中・初級、各レベルの口頭能力を実際のインタビューに即しながら解説する基礎編(CD対応)、教室活動でのOPI の活用法を実践的な報告をもとに紹介する活用編の3部構成になっています。また、活用編は、1999年4月から2000年9月までの18回にわたって『月刊日本語』に連載された、「OPI を授業に生かす」からの抜粋に加筆訂正したものを中心にまとめています(203ページ参照)。全体的に理論から応用まで幅広い内容を扱っていますので、これからOPIを学ぶ方にも、すでに知識を身に付けているに方にも興味をもっていただけることと思います。

 21世紀は「コミュニケーション」を軸にした日本語教育の世紀です。そのような中でOPI はますます注目され、教室活動にも取り入れられていくでしょう。本書が、次世代の日本語教育を担う方々への良き道標となることを願っております。

2001年1月 月刊日本語編集部