終了したプロジェクト活動

研究テーマ:「話者の発話を引き出す効果的な質問の抽出と分類-OPI 手法を用いた会話コーパス調査から-(PDF)
期間:2021 年8月~2022年7 月(1 年間)
メンバー:堀恵子(代表者)・安高紀子・大隅紀子・長松谷有紀・長谷川由香・ケッチャム千香子

<プロジェクト概要>
プロジェクト概要:OPIテスターは判定の根拠となる発話を引き出すべく、被験者のレベルに応じて単純な質問から、複雑な議論を引き出すための段階を踏んだ質問へと質問の難度を上げていく。そこで、それらの質問を分析すれば、どのような質問が議論を深めるために有効か、どのような言語形式が使われるかといった知見が得られると予測される。そこで本研究ではOPIコーパスデータから,質問の意図と形式を分類したリスト表を作成し,テスターや判定者が利用できるように,さらに日本語教育に応用できるようにすることを目的とする。
過去2年間に行った成果を踏まえ,分類とラベルを精緻化するため、上級以下のレベルにも分析対象を広げて分析を進める。また,OPIにとどまらず広く日本語教育に応用するために,教材化を視野に入れながら授業での質問を促す活動に使用し、表の有効性を検証していく。

<研究成果>
堀恵子・安高紀子・大隅紀子・ケッチャム千香子・長松谷有紀・長谷川由香 2021年から2022年 日本語教育学会秋季大会,東北支部集会,関西支部集会交流ひろば出展「質問分類表に基づいて質問しあってみよう-OPI形式のコーパスの分析に基づいて-」

堀恵子・安高紀子・大隅紀子・ケッチャム千香子・長松谷有紀・長谷川由香 (2022) 公開ワークショップ「学習者の質問力を高めるために-質問について考え,体験してみよう-」東洋大学人間科学総合研究所若手研究チーム主催


研究テーマ:「コミュニケーションのための効果的な相槌や受け答え―日本語OPI における母語別特徴―(PDF)


期間:2020 年7 月~2022 年6 月(2 年間)
メンバー:西部由佳(代表者)・岩佐詩子・金庭久美子・萩原孝恵・坂井菜緒・奥村圭子

<プロジェクト概要>
 本プロジェクトのメンバーによる2019年度までのプロジェクト活動では、円滑なコミュニケーションにつながる相槌や受け答えとはどのようなものかを探ることを目的とし、Oral Proficiency Interview(以下、OPI)における話題転換部に着目して分析を行った。データとして、国立国語研究所「日本語会話データベース」から超級・上級・中級・初級の中国語母語話者(以下、I)のテキスト及び、音声データを用いた。
まず、日本語学習者の会話の受け答えの中で感じる「不自然さ」の原因の一つが、話題転換部の中に見られる日本語学習者の「くり返し」にあるのではないかと考え、話題転換部における「くり返し」のレベル別使用状況を調べた。調査を進めていく過程で、2018年度には日本語教育学会関東支部集会に参加し、様々なアドバイスを得ることができた。2019年度にはOPIで観察されるIの「くり返し」に着目した研究成果を小出記念日本語教育研究会で発表した。その調査結果として、OPIでの中級話者は「考えている・時間稼ぎ」のための「くり返し」が多いこと、上級に入ると「くり返し」自体が減ってくることが分かった。このことから、上級以上になると、Iは次の発話を考える際、「くり返し」以外にも何らかの「考えている」表現を用いているのではないかと考えた。そこで、ターン受取後にIがどのような「考えている」表現を用いているのかについて、レベル別特徴を明らかにするための研究を進めた。その成果は、2020年3月に日本語教育学会関西支部集会で口頭発表を行う予定であったが、中止となってしまったため、内容については予稿集を参照されたい。
 以上が2年間の成果であるが、これまでの研究は、中国語母語話者を対象としたものであったが、2020年度からは対象を他言語の母語話者にも広げ、今まで見てきた中国語母語話者の傾向が、他言語の母語話者にも見られる特徴なのか否かを横断的に調査し、他の言語においても汎用的にいえる傾向があるか、また母語による特徴は何かについて明らかにしていきたい。

<研究成果>
西部由佳・岩佐詩子・萩原孝恵・金庭久美子・坂井菜緒・奥村圭子(2018)「受け答えに見られる不自然さの要因-OPIインタビュー時の「繰り返し」に着目して-」日本語教育学会関東支部集会「交流ひろば」参加

西部由佳・岩佐詩子・金庭久美子・坂井菜緒・萩原孝恵・奥村圭子(2019)「日本語インタビューテストにみられる「くり返し」の使用とレベル別特徴」『第28回小出記念日本語教育研究会予稿集』pp.28-29

西部由佳・岩佐詩子・金庭久美子・坂井菜緒・萩原孝恵・奥村圭子(2020)「日本語インタビューテストにおけるターン受取後の「考えている」表現の分析-学習者のレベル別差異とその特徴-」『2019年度日本語教育学会支部集会予稿集』【関西支部集会】2020年(令和2年)3月14日/関西大学pp.39-44


研究テーマ:「コーパス調査から見る話者の発話を引き出す効果的な質問
日本人学生と留学生の会話の実態を探り、自然な相槌や受け答えの習得について考察する。
メンバー: 堀恵子(代表者),安高紀子,大隅紀子,長松谷有紀,長谷川由香
期間:2019年8月から2021年7月

<プロジェクト概要>
本研究の目的は,OPIコーパスデータから質問の話題・内容に注目してどのような質問がどのレベルの話者にどう答えられているのかを明らかにし,質問の意図と形式を分類したリスト表を作成することである。そして,テスターや判定者が利用できること,さらに日本語教育に応用できるようにすることを目指す。
期間内の調査では,超級12,上級23,合計35の会話データとその他必要に応じて,中級データも対象として,次の手順で分析を行った。
⑴インタビュアーの質問と質問の役割を含む発話(平叙文を含む)を抽出,⑵質問に対し,質問意図,機能,話題の3つの観点から,タグをつけ,道田(2011)を参考に,分類,⑶道田(2011)にないカテゴリーの質問には新たにタグを設定,⑷発話の質問意図が明確でない場合はメンバー5名で話し合い,判定が一致した場合は採用,一致しない場合は不採用とした。
その結果,OPIに見られた「意見」「会話ストラテジー」を大カテゴリーに加え,大カテゴリー4,中カテゴリー9,小カテゴリー30を得た。また,それらの質問で使用されている言語形式を明らかにした。

【データベース】
国立国語研究所「日本語学習者会話データベース」
< https://mmsrv.ninjal.ac.jp/kaiwa/index.html>
研究成果:
堀恵子・安高紀子・大隅紀子・長松谷有紀・長谷川由香(2021)「話者の話者の発話を引き出す効果的な質問は何か―OPIコーパス調査に基づく分類の試案―」第30回小出記念日本語教育研究会ポスター発表


研究テーマ:「よりよいコミュニケーションのための相槌や受け答え ―日本語OPIにおけるレベル別使用状況―
日本人学生と留学生の会話の実態を探り、自然な相槌や受け答えの習得について考察する。
メンバー: 奥村圭子(代表者)・西部由佳・岩佐詩子・金庭久美子・萩原孝恵・坂井菜緒
期間:2018年4月~ 2020年3月

<プロジェクト概要>
2017年度までのプロジェクト活動では、Oral Proficiency Interview(以下、OPI)における話題転換部を、日本語上級話者・中級話者とテスターのやりとりの中でのその関わり方に着目して調べた。
まず、2016年度までは、国立国語研究所「日本語学習者会話データベース」を用いて中国語圏、英語圏の出身者の日本語OPIにおいてどのような話題転換がなされているかを、分析した。その成果は、西部他(2016a)、西部他(2016b)として発表した。
2017年度は、同データベースより韓国語圏出身者のデータを加え、1)受け答えの中で何に不自然さを感じるのか、2)自然さ・不自然さには受け答えの何が関係しているのか、3)レベルによる受け答えに特徴はあるのか、といった観点で中国語話者・英語話者・韓国語話者の受け答えについて検討した。
これまでは文字化されたテキストデータをもとに分析を行ってきた。しかし、これまで行ってきた文字化データの分析で印象がよくないと感じられた受け答えでもあっても、実際に音声で確認すると、必ずしもそうとは言い切れないことが分かった。そこで、新規プロジェクトとして、音声データを中心に分析を行い、円滑なコミュニケーションにつながる相槌や受け答えとはどのようなものなのかについて明らかにする。

<研究成果>
西部由佳・岩佐詩子・金庭久美子・萩原孝恵・水上由美・奥村圭子(2016a)「OPIにおける話題転換の方法-上級話者と中級話者に対するテスターの関わり方に着目して-」『日本語プロフィシエンシー研究』第4号 pp.132-143

西部由佳・水上由美・萩原孝恵・奥村圭子・岩佐詩子・金庭久美子(2016b)「日本語インタビューテストにみられる話題転換部のやりとり-上級話者・中級話者の特徴に着目して-」2016年度日本語教育学会研究集会第7回<東北地区(宮城)>口頭発表


ガイドライン研究班


インタビュー技術研究班


ロールプレイカードプロジェクト班


データベース準備班